保存された冷凍保存精子によって当該男性が死亡した後に出生した子と男性との親子関係形成の成否
最高裁判決 平成18年9月4日 判例時報1952-36
<事案>
1 夫B、精子を冷凍保存
2 夫B、死亡
3 妻A、1の精子を用いて体外受精
4 2の599日後、妻AはXを出産
5 X、Yに対し、Bの子であることについて死後認知を請求
<判決>
●本件においては死後認知は認められない。
●理由
以下のとおり法律上の親子関係における基本的な法律関係が生ずる余地がなく、親子関係法制が想定しないものである。よって、立法によって解決するべき問題である。
1 死後懐胎子と死亡した父との関係においては、当該父は死後懐胎子の親権者となる余地がない。
2 死後懐胎子は当該父から監護、養育、扶養を受けることはあり得ないこと
以上